機動戦艦ナデシコ
「ルリルリは『お魚』の夢をみるか?」その2

「あなたの一番になりたい」
「機動戦艦ナデシコ」第19話(明日の『艦長』は君だ!)挿入歌
作詞:有森聡美 / 作曲:三留研介 / 編曲:添田啓二 / 歌:南央美(ホシノ・ルリ)>br> MIDIデータ打ち込み:ねるげ / MIDIデータ名:NAD_RRGM.MID
※この MIDIデータは
ねるげさんから許可を得て使用しています。


「アキトぉ、アキトぉ、どこ行っちゃったの、アキトぉ!」

「ううー、ユリカぁ。」

「ユリカさん! あなた艦長なんだから、もっと自覚をもちなさい!!」

「あの艦長じゃむりよん。」

めずらしく寝坊した私が少し遅れてブリッジへ出勤すると、そこではいつもと変わらない光景がくりひろげられていました。ホントこの人たちって…。

「おはよう、ルリちゃん、今きたとこ?」

後ろから声をかけられ、私は胸がトクンとなるのが感じられました。言っときますが、べつに心臓がわるいわけじゃありません。

「おはようございます、アキトさん。アキトさんは朝食のしたくで遅くなったんですね?」

「そうなんだ。でも艦内の半数が朝食をぬいてるみたいで…。コックの俺としては考えちゃうよなー。」

テンカワ・アキトさん。艦載人型兵器エステバリスのパイロットで、この艦のコックでもあるという変わった経歴の人。私にとって………ま、いいか。

「みなさん、おはようございます。おくれてごめんなさい。」

「あっ、ルリちゃん、おはよー。あぁー、アキトぉ! いったいどこにいたのぉ、ユリカさがしてたんだからぁ。」

「俺が今朝の朝食当番だって事を知らないって事は…。ユリカ、おまえまた朝飯ぬいたろ!」

「説明しよう! 朝食をぬくと健康にわるい! しかも、美容にも悪影響がある! 以上説明おわり!」

「だって、起きたばっかで食べたくないんだもん。それよりアキトってばぁ!」

「艦長、あんまりアキトさんにベタベタしないで下さい! 艦長がその気なら、あたしだってまたアキトさんと…。」

「………。」

「あー、リョーコやいてる?」

「おもちが焼けて、やきもち?」

「ばっきゃろー、やいてなんかねーよ!」

「やれやれ、困ったお嬢さん方だ。」

「戦いの中、燃え上がる恋愛ドラマ。うぅー、ゲキガンガー的に燃えるシュチュエーションだ!」

るりるり笑ってる?…なんか、死んじゃった山田さんの声も聞こえた気がするけど。

「山田は仮の名だ。俺の名はダイゴウジ・ガイ、魂の名前だ!」

お笑い番組みたいでみてて面白いけど…そろそろ仕事しよ。

「おはよっ、るりるり。」

「おはようございます、ミナトさん。」

「あれ、るりるり笑ってる?」

「いえ、べつに…。」

その時、私は夢の中にでてきたお魚たちとみんなを重ね合わせていました。

「アキトぉ、アキトぉ、アキトぉ!」

「わー、くっつくなよユリカ!」

まだやってる。このナデシコの人たちってホント…。

「バカばっか…。」


おわり


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