機動戦艦ナデシコ迷作劇場 『ルリルリ竹取物語』その3
「ねえねえ、ルリちゃーん。今晩は何が食べたい? フランス料理? 満干全席?」 ルリも成長し、いまや16歳。淡い瑠璃色の髪は長く伸び、表情も昔に比べだいぶ豊かになりました。アキトとユリカの愛情に包まれ、ルリはとっても幸せだったのです。 「ふーん。そんなに可愛い娘なら僕の7人目の側室にしてあげようじゃないか。僕自ら出向いて、ルリルリをGetだ!」 さあたいへん。アカツキが大勢の家来を引き連れてルリの元へやって来ました。 ![]() 「そんなぁ、ルリちゃんまだ16歳なんですよ!」 「いくら帝だからって横暴っスよ!」 アキトとユリカは必死に抵抗します。 「僕は帝だよ。つまり僕の言うことは絶対命令なのさ。さあ、行こうかルリルリ。」 アカツキはルリをむりやり連れて行こうとしました。ルリは何か言いたそうです。 「なんだいルリルリ?」 「私、ロン毛の悪者はきらいです…。」 ぐさっ! ルリの何気ない一言がアカツキにクリティカルのダメージを与えました。 「…まあいいさ。どうせ逆らえはしないんだ。夜になったら迎えに来るから、それまでに別 れを済ませておくんだね。」 傷心のアカツキはそそくさと引き上げて行きます。 「アキトお父さん、ユリカお母さん、今まで育ててくれてありがとうございました。」 それから、それから…。
|