機動戦艦ナデシコ迷作劇場
『ルリルリ竹取物語』その2


「ねえねえ、ルリちゃーん。今晩は何が食べたい? お寿司? しゃぶしゃぶ?」
「…ラーメン。」
「よし、今日は久しぶりに俺が腕によりをかけて作ってあげるよ。」
「アキトのラーメンって美味しいもんねー。」
「………。」

 ルリはだまってうなずきました。ちょっと嬉しそうです。

 あれから11年、アキトが新たに屋台から始めたラーメン屋がいまでは全国にチェーン拡大し大儲け。貧しかった家も今では貴族並の豪邸に変わっています。そんな中でルリはすくすく育ち、そのかわいらしさはこの地方でも評判になっていました。
 まだ11歳だというのに、ルリに求婚する者は後を絶ちません。みんな光源氏にでもなった気でいるのでしょうか? 男って…。

「さて今週も始まりました『プロポーズ大作戦・ルリルリでデート』。司会は私、メグミ・レイナード。解説はアキトさんとユリカさんでお送りしまーす。ではさっそく1番の方どうぞー!」

「1番、ダイゴウジ・ガイ。ルリルリへ愛を込めて『正義のロボット・ゲキガンガー3』を歌うぜ!」「はるかな宇宙の…」
「あれ? あの人、ヤマダ・ジロウって名前じゃ…。」
「歌うと音楽著作権協会にお金を払わないといけないからパス!」

「15番、ウリバタケ・セイヤ。ルリルリ見てくれ、俺の作ったカラクリメカ理利衣ちゃん弐号を! ポチっとな。」
シュボボボボボ!!!!
 予想通り全身から発射されたミサイルが会場を破壊します。

「53番、アオイ・ジュン。うぅ、ユリカぁ。ユリカがだめならせめてルリちゃんだけでも…。」
「あいつユリカの知り合いか?」
「うん、とっても親切なお友達よ。きっとルリちゃんともいいお友達になってくれるわ。」

 いと哀れ…。

「84番、ムネタケ・サダアキ。ふふふ、アタシの大人の魅力でルリルリはイチコロよ!」
「やだ、気持ちわるーい。」
「問題外だな…。」

「99番、この話の作者。私がキーボードをたたけば、清純なルリルリと、あーんな事やこーんな事を…。」
「退場!」
「スマキにして海に放り込め!」
「わーん!」
どっぽーん!!!!! 「(気を取り直して)…さて、これで候補者は全員ですが、ルリちゃんがお相手に選ぶのはいったい誰!?」
 騒がしかった会場は急に静かになりました。全員の視線がルリに注目します。そのかわいらしい口から発せられた言葉は?
「バカばっか…。」
ちゅどーん!!!!!

それから、それから…。


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